ひとひ

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小2の息子と夫の3人暮らし。持たない暮らし、シンプルな暮らしを目指しています。

【読書】村井理子『家族』を読んで

書かれているのは村井さんのご家族のことのはずなのに、読んでいるあいだ私の家族のことを考えていました。



私は実家の家族のことを手放しで大好きとは言えません。

特に兄に対しては、兄がいてくれて助かった面もあれば、理解不能だと言わざるを得ない面があります。

『家族』では、好きとも嫌いとも言い切れない複雑な気持ちを、複雑な気持ちのままに書かれています。

それが自分が家族に対して抱いている気持ちと似ていると感じさせるのかもしれないです。

今は物理的に兄と離れているので兄に対しては何も思うことはありませんが、この先ガッツリ関わらなければならない事態は避けたいと思ってしまう自分がいます。



外側から見たら何も問題がないように取り繕っているだけで、どの家族にも大なり小なり抱えているものがきっとあるのかもしれません。

何かが少しでも違ったら、もしかしたら……と。

実家の家族に対して大好きとは言い切れないけれど、母と兄が亡くなったら、夫や息子がいたといても、おそらく寄る辺ない気持ちに襲われる気がします。

多分それは夫や息子とは共有し難い感情なのだと思います。



兄や母がこの本を読んだらどんな感想になるだろうと読ませたい気持ちになりますが、それと同じくらい読ませるのが怖い気持ちにもなります。